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天空図|その他|Jw_cad
天空図の作成、天空率の計算、太陽軌跡図の作成を行う。
また、三斜による面積計算から天空率を求める。

天空図データは日影図データと共用して使用でき、日影図のデータと同じに平面に高さを設定して作成する。
また、2.5Dとは異なり、立面図からの天空図計算はできない。
天空図データの作図
天空図データを作成する前に、建物の平面図等を作図しておく。
- [天空図]コマンドを選択する。
- コントロールバー[高さ(m)]入力ボックスに、設定する高さを「m」単位で入力する。
- コントロールバー[高さ(m)]入力ボックスでは計算式も使用できる。
- 作図してある建物の平面と同じレイヤにして、平面図の1辺を左クリック(L)で指示すると、指示した位置に近い方の端部に高さが設定され高さの文字が作図される。
このように、1カ所に高さが設定されると、同一レイヤの同じ位置の他の線の端部にも同じ高さが設定されたことになる。- 作図される高さの文字の大きさは、メニュー[設定]→[基本設定]コマンドで表示される基本設定の「文字」タブで変更できる。
- すでに設定されている高さの文字を右クリック(R)すると、その高さが取得され、コントロールバー[高さ(m)]入力ボックスに入力される。
- すでに設定されている高さの文字を左ダブルクリック(LL)すると、その高さが消去される。
- コントロールバー[確認]を左クリック(L)すると、作成したデータのアイソメ図が表示されるので、天空図のデータを確認する。
- このアイソメ図には作図ウィンドウ左上部に真北の方向が表示される。
真北の設定は日影図コマンドで行う(太陽軌跡図の作成のときに使用する)。
また、建物の側面に測定高さの位置が線色5の点線で表示される。
ここでは、測定面が0mなので底面と線色5の点線が同じ位置になっている。
- このアイソメ図には作図ウィンドウ左上部に真北の方向が表示される。
- コントロールバーの表示が切替わるので、各ボタンの操作により、見る角度を変えることで作成した建物の形状を容易に確認できる。
- [左][右]
- 左クリック(L)すると、建物を横から見る方向(回転角)を変更できる。
- [上][下]
- 左クリック(L)すると、建物を縦から見る方向(上下角)を変更できる。
- [等角]
- 左クリック(L)すると、回転角が「45°」、上下角が「35.264°(≒atan(1/√2 ) )」のアイソメ図で表示される。
- [0 , 0]
- 左クリック(L)すると、回転角が「0°」、上下角が「0°」のアイソメ図で表示される。
- [<<]
- 左クリック(L)すると、建物の高さの設定状態に戻る。
- ここの操作が終わったら、コントロールバー[<<]を左クリック(L)して建物の高さの設定状態に戻す。
正射影図(等距離射影図)の作成、天空率(天空比)の計算
天空率の計算は、「 天空率 = (天空図円の面積 - 建物正射影図面積)/ 天空図円の面積 」になる。
このときの建物正射影図面積は、正射影図形を天空図の中心から微小角で分割し、その面積の積分を行って求める。
- [天空図]コマンドを選択する。
- [正射影(天空率)]または[等距離射影]ボタンを左クリック(L)すると、コントロールバーの表示が切替わる。
- 測定点表示の2番目のボックスに番号の数値を入力すると、1番目のボックスが薄字表示から通常表示になり番号の前に書く文字の変更が可能になる。
番号の数値を入力しないと、天空図に番号の表示が行われない。 - 測定高さを(m)単位で入力する。
- 天空図半径を(mm)単位の図寸法で入力する。
天空図半径に「0」を設定すると、天空率(比)の計算のみを行う。 - 天空図に追加する目盛の間隔を[▼]を左クリック(L)し表示されるリストの中から選択する。
空白の場合は目盛を作図しない。
- 測定点表示の2番目のボックスに番号の数値を入力すると、1番目のボックスが薄字表示から通常表示になり番号の前に書く文字の変更が可能になる。
- 正射影(等距離射影図)の測定点を指示すると、コントロールバーの表示が切替わる。
- 天空率にチェック入れると、コントロールバーの表示が切替わる。
- 通常計算結果は少数点以下2桁の表示になるが、高精度計算ににチェックを入れると、少数点以下3桁の表示になる。
- 射影面積表示にチェックを入れると、天空図の円面積と建物の射影面積が天空率の計算結果と同時に表示される。
- 天空図の作図位置(円中心)を指示すと、正射影図(等距離射影図)が作図され、天空率(天空比)の計算結果が表示される。
天空図の作図後【2】に戻るので、続けて作図が行える。
このとき、天空図の番号表示を行っていると、その番号が1つ加算される。
太陽軌跡作図
- [天空図]コマンドを選択する。
- [正射影(天空率)]または[等距離射影]ボタンを左クリック(L)する。
- 太陽軌跡図は正射影または等距離射影で作成できるが、等距離射影のほうが正射影より高さが大きく表示されるので、太陽軌跡図には等距離射影が適している。
- 測定点を指示する。
- 太陽軌跡にチェックを入れると、コントロールバーの表示が切替わる。
- 南方向補正にチェックを入れると、図面の下が南方向になるように天空図が回転補正される。
- 真北が設定されていない場合は、真北が設定されていないことを確認するダイアログが表示され、図面の上方向を真北として作図される。
- 10分間隔点表示にチェックを入れると、太陽の軌跡に10分間隔の点を作図する。
- 四季にチェックを入っていないときは、日影図で指定されている季節(任意時期も含む)の太陽軌跡が作図される。
四季にチェックを入れると、冬至、春秋分および夏至の3種類の太陽軌跡が作図される。
- 南方向補正にチェックを入れると、図面の下が南方向になるように天空図が回転補正される。
- 天空図の作図位置(円中心)を指示すと、天空図と太陽軌跡が作図される。
三斜による面積計算から天空率を求める
- [天空図]コマンドを選択する。
- [三斜]ボタンを左クリック(L)すると、コントロールバーの表示が切替わる。
- 測定点表示の2番目のボックスに番号の数値を入力すると、1番目のボックスが薄字表示から通常表示になり番号の前に書く文字の変更が可能になる。
番号の数値を入力しないと、天空図に番号の表示が行われない。 - 測定高さを(m)単位で入力する。
- 天空図に追加する目盛の間隔を[▼]を左クリック(L)し表示されるリストの中から選択する。
空白の場合は目盛を作図しない。- 天空図半径は初期値で100mm(図寸法)になっているが、この値は環境設定ファイルで変更ができる。
- 測定点表示の2番目のボックスに番号の数値を入力すると、1番目のボックスが薄字表示から通常表示になり番号の前に書く文字の変更が可能になる。
- 正射影の測定点を指示すると、コントロールバーの表示が切替わる。
- 【基準建物用】または《計画建物用》を左クリック(L)して計算方法を選択する。
- 三斜計算にチェック入れる。
- 最大分割角度を[▼]を左クリック(L)して選択する。
- 天空図の作図位置(円中心)を指示すと、正射影図が作図され三斜による天空率の計算結果が表示される。
天空図の作図後【2】に戻るので、続けて作図が行える。
このとき、天空図の番号表示を行っていると、その番号が1つ加算される。
三斜計算の天空率
- 三斜計算による天空率は同じ形状であっても図のように【基準建物用】より《計画建物用》が小さくなる。
- 三斜計算の、長さ・面積・天空率を求める各計算過程において、【基準建物用】では「切り上げ」、《計画建物用》では「切り捨て」により、小数点以下3桁を求めている。
- 三斜計算の最大分割角度を小さくすると【基準建物用】と《計画建物用》との天空率の差は少なくなる。
- 天空図で線が重なっている場合または僅かにずれている場合、微小な高さの三角形が作成されることがある。
このとき、不要な線を消去することで、微小な高さの三角形の作成を回避できる場合がある。
- 計画建物用
- 三斜計算による建物の正射影面積(ハッチ部分)
天空図の円中心(O点)から引いた2線(指定角度の分割線)と、建物の正射影図(曲線)との交点をA点、B点とし、三角形O-A-Bの面積を三斜計算により求め扇形の面積から減ずる。
この面積は実際より大きくなるので天空率は実際より小さくなる。 - 基準建物用
- 三斜計算による建物の正射影面積(ハッチ部分)
天空図の円中心(O点)から引いた2線(指定角度の分割線)間の建物の正射影図(曲線)を微小区間に分割し、線A-Bとの間隔が最大になる点を求める。
次に、その点を通り線A-Bに平行な線と指定角度の分割線との交点をA'、点B'点とし、三角形O-A'-B'の面積を三斜計算により求め扇形の面積から減ずる。
この面積は実際より小さくなるので天空率は実際より大きくなる。
建物位置確認表の作成
- [天空図]コマンドを選択する。
- [三斜]ボタンを左クリック(L)する。
- 正射影の測定点を指示する。
- 建物位置確認表にチェック入れる。
- 天空図の作図位置(円中心)を指示すと、天空図に建物位置確認表が作図される。
建物位置確認表の作図を行うと天空図には射影された建物の上部の建物位置番号が作図される。- [Ctrl]キーを押しながら建物位置確認表の作図を行うと配置図にも建物位置番号が作図される。
配置図の同じ位置に高さの異なった建物位置番号がある場合は高さの高い位置の番号が作図される。 - [Shift]キーを押しながら建物位置確認表の作図を行うと全ての建物位置番号が作図される。
- 建物位置番号の文字は下中を基準として建物位置に作図されるので他の文字(高さ指定文字等)と重なる場合がある。
文字が重なり見にくい場合は、文字または移動コマンドにより建物位置番号を見やすい位置に移動する。
- [Ctrl]キーを押しながら建物位置確認表の作図を行うと配置図にも建物位置番号が作図される。
- 三斜計算の建物位置番号
- 建物データとして構成されている線の端点に、次の優先順位により整理した順に番号を付け、建物位置番号とする。
- 建物の高さの高い位置が最優先
- 同じ高さの場合、図面の縦位置の下方向が優先
- 同じ高さで同じ縦位置の場合、図面の横位置の左方向が優先
- 【基準建物用】建物位置は{1}のように{番号}、《計画建物用》建物位置は(1)のように(番号)で作図される。
建物位置番号の{1}(1)等の表示形式は環境設定ファイルにより変更できる。